久留米絣(かすり)とは
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久留米絣とは? 心地よい肌触り、木綿の安らぎ、素朴な色彩…絣の美しさは熟練された技術でのみ作りあげる事ができます。そもそも絣の根源を辿れば、古代インドから東南アジアへとさかのぼり、約1400年前に日本に伝わり、全国に広がったといわれてます。しかし、久留米絣だけは他の絣とは異なる誕生と成長をとげるのです。そこには、先人達の飽くなき好奇心と情熱の物語がありました。 |
久留米絣のはじまり 今から200年程前、井上伝という少女によって発明されました。ある日、伝は衣服が色あせたところに、白い斑点がついている事に気付きました。その衣服に発想をえて、数々の試行錯誤や“からくり儀右衛門”こと田中久重の協力などを経て、新しい織物が仕上がりました。この織物は所々かすれたように見えることから「加寿利(かすり)」と名付けられました。これが、久留米絣のはじまりです。 |
![]() (井上 伝 1789-1869) |
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久留米絣の特徴 一つの絵柄を織り出す十字や市松、井桁などの「たてよこ絣」は、他の産地には見られない久留米独特のものです。その他、経糸だけで表現する「たて絣」、緯糸だけで表現する「よこ絣」、「織締(おりしめ)」という技法で作られる「文人絣」などがあります。30もの製作工程を経て織りあげられる久留米絣は、作業の過程でのズレにより独特な模様を生み出し、熟練の技術と合わさって、美しい布地が仕上がります。 |
久留米絣の制作工程 |
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